秋は台風シーズンです。
この時期は日本付近を通る台風が増え、過去に大きな被害をもたらした台風は、9月や10月に多くなっています。
7月から10月は台風シーズン
年間で平均およそ25個発生する台風。
7月から台風の発生が多くなり、8月をピークに9月から10月にかけて台風シーズンが続きます。
日本への接近や上陸の数もこの時期が最も多くなっています。
9月になると日本付近を通りやすくなる?
日本の南の海上で発生する台風は、太平洋高気圧の位置や上空の偏西風の流れによって大きく進路が変わってきます。
6月や11月、12月は西へ向かう台風が多くなりますが7月頃になるとそれまで太平洋高気圧の縁辺を周って西よりに進んでいた台風が北上するにつれて次第に東よりにカーブして日本付近に向かうようになります。
8月は発生数では年間で一番多い月ですが台風を流す上空の風がまだ弱いために台風は不安定な経路をとることが多く、9月頃になると次第に太平洋高気圧の勢力が弱まり、偏西風が日本付近に南下するため偏西風に乗りやすくちょうど日本付近を通りやすくなるのです。
そのため過去に日本に大きな災害をもたらした台風は、9月や10月にこのような進路をとったものが多くあります。
ただ、太平洋高気圧の勢力や偏西風の位置などその時期により異なる場合もありますので必ずしもこのルートを通るわけではありません。
9月・10月に大きな被害をもたらした台風事例
9月から10月に発生した台風で大きな被害をもたらした台風といえば昔から多くあり代表的に知られているのが、1934年(昭和9年)の室戸台風、1945年(昭和20年)の枕崎台風、1958年(昭和33年)の狩野川台風、1959年(昭和34年)の伊勢湾台風などがあります。
※伊勢湾台風(1959年台風15号)
中でも1959年(昭和34年)に発生した台風15号、いわゆる伊勢湾台風はマリアナ諸島で発生し、急激に発達。
紀伊半島に上陸し東海地方を中心に甚大な被害をもたらしました。
特に高潮による被害が大きく、名古屋港では観測史上最高となる3.89mの高潮が襲いました。
紀伊半島沿岸一帯や伊勢湾沿岸では、激しい暴風雨に加えて高潮により被害が拡大、大規模な浸水や河川の氾濫が発生して多くの犠牲者が出ました。
死者・行方不明者は5000人を超え、明治以降で最悪の犠牲者数となりました。
※令和元年房総半島台風(2019年台風15号)
まだ記憶に新しい台風としては2019年(令和元年)に発生した房総半島台風です。
関東に上陸したものとしては観測史上最強クラスの勢力で9月9日に千葉県に上陸しました。
千葉市では、観測史上1位の最大風速35.9メートル、最大瞬間風速57.5メートルの暴風が吹き荒れるなど、関東を中心に19地点で記録的な暴風となりました。
これらの暴風により、千葉県を中心に4000棟を超える住宅が全半壊、また送電用鉄塔が倒壊し、関東地方で最大で90万戸以上が停電しました。
またゴルフ練習場の鉄柱が倒壊し、近隣の家屋に被害をもたらすなど各地に甚大な被害をもたらしました。
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